2011年3月11日金曜日

バーナンキ米FRB議長の議会証言要旨

 [ワシントン 25日 ロイター] バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は25日、下院金融委員会でFRBの緊急流動性供給措置の解除について証言を行った。
 議長の証言内容は以下の通り。
 <MBSと信用リスク>
 われわれの見解では、連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)、連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)、連邦政府抵当金庫(ジニーメイ)のモーゲージ担保証券(MBS)は暗黙の保証があり依然として財務省の負債だ。従って、FRBがMBSを購入することで納税者の信用リスクは高まっていない。
 <債務のマネタイズ>
 FRBが現時点で保有する米政府債はこれまでと同様に非常に小規模にとどまっている。われわれは債務をマネタイズしておらず、将来的にマネタイズする差し迫った計画もない。
 <社債とソブリン債の利回り>
 最近の問題のひとつは、米政府による多額の国債発行だ。大規模な入札による活発な借り入れが行われている。これが通常の国債購入者にとって一部圧迫要因となっており、多様化として社債(への投資)選好が見られる。
 <バブル>
 現在の非常に低い金利について、バブルを引き起こす可能性があるとの懸念を多くが示していることを認識している。金融市場の動向を監視することは重要だが、現時点で主要な資産クラスで目立った不当な価格設定は見られない。
 <1兆ドル以下のバランスシート>
 米連邦準備理事会(FRB)のバランスシートを、危機以前の水準付近に戻すことを望んでいる。これは国内の資金需要に十分に対応し、準備預金が適度な量となる水準を意味している。1兆ドルを幾分下回る付近だろう。
 <中小企業向け与信>
 景気低迷で借り入れ需要が大きく減少したことは確かだ。しかし、明らかに信用力があるにもかかわらず与信が得られない中小企業が存在する。これはFRBの重要な優先課題となっている。この問題について銀行と共に取り組んでいる。
 <財政赤字>
 わたしの懸念は、出所が政権であれ議会であれ外部アナリストであれ、赤字予想が、たとえば2013─20年に国内総生産(GDP)の4─7%となることを依然示していることだ。実際にそうなれば、債務残高のGDP比は極めて高い水準に上昇する。これはまだ先のことながら、持続可能な財政状況をわれわれが維持する能力について投資家や債権者が懸念し始めるリスクは今でも存在する。
 <超低金利の長期間据え置きについて>
 前週の連邦公開市場委員会(FOMC)で、FRBはFF(フェデラル)金利の誘導目標をゼロ―0.25%に据え置くとともに、低水準の資源利用、抑制されたインフレ基調、安定的なインフレ期待といった経済状況から、FF金利を長期間異例に低水準とすることが正当化される可能性が大きいと引き続き予想していることを示した。ただ、経済の拡大が成熟するにつれて、インフレ圧力の高まりを回避するため、金融状況の引き締めを開始する必要がある。
 FRBは適切な時期に政策スタンスを引き締める手段を多く有している。
 <緊急融資制度の終了>
 緊急融資制度の終了と連銀の窓口貸し出し条件の変更は、いずれも金融市場の状況改善に対応したものと強調してきた。これが家計と企業の金融状況のひっ迫につながるとは予想されず、従って金融政策の引き締めには当たらない。また、金融政策見通しの変化を示唆していると解釈されるべきでない。

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引用元:パーフェクトワールド(Perfect World) 専門サイト

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